あらすじ
「大きくなったら、結婚しようね」
――そんな幼い日の約束を、彼は覚えているだろうか。
迷路のように書棚が動く不思議な魔法図書館。
毎朝そこへ通う私には、ずっと気になっている人がいた。
見習い魔法使いの制服に古びた上着を羽織った、名前も知らない男の子。
お互い「あ、今日もいる」と気づきながらも声をかけるタイミングを逃し続けて幾週間。
ついにその沈黙が破られる日がやってくる。
またしても通路で迷子になった私を助けてくれたのは、少しぶっきらぼうに、けれど優しく手を引いてくれる——あの人だった。
「気づいてた。声かけるタイミングがわからなかった」
まさかの両片想いに胸がじんわり温かくなったのも束の間、私の鎖骨に、結ばれた運命の相手を示す『番紋』が浮かび上がっていることが発覚して……!?
もどかしすぎる二人の、静かで甘い朝のひととき。