あらすじ

朝の食卓に、三人分の支度がある。 私の席、夫の席、そして、配膳台のもう一皿。 その一皿は、銀の盆に乗って、北棟へ運ばれる。 私が嫁いで、三年。 北棟には、夫の妹がいると、聞かされてきた。 顔を見たことは、ただの一度もない。 戸籍を確かめる手立ても、私には与えられていない。 夫は穏やかに微笑む。 私は穏やかに微笑み返す。 ある朝、夫の執務机から、一通の照会状が滑り落ちた。 私が五年勤めた、王立法務院の書式である。 末尾に、未了の二文字だけが残っていた。 その夜、私は、招待状の便箋を四通並べた。 宛先は、夫。北棟の住人。公証人。 それから、王立法務院に残る、元同僚。 お茶と、書類と、ひとつの質問だけ。 それが、私が三年かけて整えた、議題のすべてである。 夫の口から、最初に置かれるのは、事実か。 それとも、希望か。

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小説を読もう2026/05/29
  • 現在の作品夫が呼ぶ妹について、そろそろお伺いしたいのです