あらすじ
高校二年生の宮本柚葉(みやもとゆずは)は、部活も恋愛も友達付き合いも全部うまくいかない、ごく普通の地味な女子高生だった。ただ一つ、料理だけが得意だった。ひとりで台所に立って、誰かのために作ることもなく、ただ自分のためだけにご飯を作り続ける毎日。
そんな柚葉が、ある夜突然死んで——目を覚ましたら、乙女ゲームの悪役令嬢になっていた。
しかも、よりにもよって最初のイベントまで三日しかない。
ゲームの知識はある。悪役令嬢が最終的に婚約破棄されて没落することも知っている。でも柚葉には、策略を巡らす気力も、王子を攻略する気持ちも、ひとつもなかった。
「もう、面倒くさい。ご飯だけ食べて生きていきたい」
そう思って厨房に転がり込んだ柚葉が作った料理を、なぜか国一番の騎士団長・ルーカスが食べてしまって——。
孤独な令嬢の料理に、静かに魅せられていく男の話。
没落フラグを全部ごはんで吹き飛ばす、ほっこり溺愛ファンタジー