あらすじ
北関東の山沿いにある地方都市、水瀬市。
丘の上に建つ私立女子校・聖ルチア女学院では、伝統ある聖歌隊が学校の顔として注目を集めていた。
ある秋の日、聖歌隊に所属する一年生・小森ひなたが失踪する。
明るく、人懐っこく、誰にでも特別な顔で笑う少女だった。
部長の一条玲奈は「ひなたさんのために、歌い続けましょう」と告げる。
幼馴染への感情を隠す白石美月は、その言葉に頷く。
親友の遠野栞は、ひなたの不在を文章にしようとする。
そして相沢真央は、ひなたが失踪前に残した「相談したいことがあって」というメッセージを思い出す。
誰も、ひなたを殺したかったわけではない。
けれど、ひなたがいなくなったことで、少しだけ楽になった人間がいた。
白い制服、古い聖堂、清らかな歌声。
「清く、正しく、美しく」を掲げる学院で、少女たちが隠した罪が静かに腐り始める。
地方女子校を舞台にした、多視点心理サスペンス。