あらすじ
中学入学をきっかけに、藍澤美優(あいざわ・みゆう)は自分の「声」が周囲と違うことを突きつけられる。
可愛いと言われていたはずの声は、いつしか嘲笑の的となり、教室の空気を凍らせた。
悪意は見えないところで繰り返され、やがて美優は心因性の失声症となり、声を失ってしまう。
不登校となり、声のない日々を送る中で、美優は偶然ひとつのアニメと出会う。
そこに登場するのは、生まれつき“難”を抱えたキャラクター――しろねこ。
その声が放つ言葉は、美優の胸に静かに、しかし確かに届いていく。
声は戻らない。
何も解決していない。
それでも、美優は自分の喉に触れ、小さな決意を抱く。
――この声に、意味があるなら。
これは、声を失った少女が、
まだ形にならない未来へ、最初の一歩を踏み出すまでの物語。
――『東京ボイスアクターズ(の、たまご)』の前日譚。