あらすじ

大学三年の短距離選手・神田悠は事故で命を落とし、競技場に留まる幽霊となる。走ることに人生を捧げてきた彼だが、幽霊となった今は地面に触れられず走ることができない。成仏できない理由も分からないまま、ただ「何かを果たさなければならない」という感覚だけを抱えて日々を過ごしていた。  そんな中、彼の存在を感じ取れる唯一の人物として、高校生の陸上選手・篠原光と出会う。光は部内で常に最下位ながらも走ることをやめず、理由も曖昧なまま努力を続けていた。神田は自身の経験をもとにフォーム改善などを助言し、光はそれを黙々と試し続ける。  やがて光の記録は着実に伸びていくが、神田自身は何も変われない現実に直面し、初めて深い絶望を味わう。しかし光の「速くなくても走りたいから走る」という言葉に触れ、神田は走る意味が記録ではなく“走ることそのもの”にあったと気づく。  そしてある夜、純粋に走りたいという思いだけで再びトラックに立った彼は、ついに走ることを取り戻す。記録にも残らず誰にも見られない一走だったが、確かな実感とともに走り切る。その経験により自らの未練を理解した神田は、光への感謝を胸に静かに成仏していく。残された光は、彼の存在に支えられながら、これからも走り続けていく。

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エブリスタ2026/05/28
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