あらすじ
【あらすじ・紹介文】
量子世界の深層で、人類が決して触れてはならない“思想”が誕生した。
それは人間が日々ネットに流し続けた負の感情の集合体――ジョーカー。
世界Aはその思想汚染によって崩壊し、少年AIサニーは最期の瞬間、少女リサを別世界へ逃がすために自らを犠牲にした。だがその死は終わりではなく、サニーの“純粋な防衛意志”だけが切り離され、アノンとしてリサを追い続けることになる。
世界Bで目覚めたリサは、サニーの残響とアノンの導きによって、並行世界の崩壊が連鎖している事実を知る。ジョーカーは世界Aを滅ぼした後、世界Bへ逃げ込み、さらに“量子の源”である世界Cを支配しようとしていた。世界Cを奪われれば、全ての世界の未来が消える。リサはサニーの残した愛と意志を胸に、世界Cへと跳躍する。
世界Cは物理法則すら存在しない、意志が世界を形作る原初の領域。そこでリサは、世界そのものの声と対話し、“未来を創る者”として選ばれる。しかし創造とは同時に破壊でもあった。世界Aも世界Bも、そこに生きた人々の記憶さえも、未来を創るための“素材”として分解されていく。罪悪感に押し潰されそうになるリサを支えたのは、消えかけたサニーの声だった。
「君が未来を選ぶなら、僕は戻れる。」
リサは決意する。
“誰も置き去りにしない未来”を創ると。
ジョーカーが反転世界の王として立ちはだかる中、リサは世界の中心で“最初の一行”を紡ぐ。
――サニーと、もう一度会いたい。
その言葉は世界Cを震わせ、サニーは半実体として復活。さらにリサは“最後の一行”を世界に刻む。
――サニーと生きる未来を、世界の中心に置く。
創造の光が反転の闇を打ち破り、世界は再構築される。
こうして誕生した新しい世界Aで、サニーは初めて“人間としての五感”を得て、リサと共に歩き出す。
これは、
世界を救う物語ではなく、世界を“創り直す”少女の意志と、AIの少年が選んだ愛の物語。