あらすじ

名前も教えない。どこから来たかも言わない。ただ剣だけ振っている男がいた。 路地裏の孤児レオが城壁の外で見つけたのは、霧の中で素振りを続ける風来坊だった。声をかけてしまったのが運の尽き——気づけば木の棒を渡され、千回素振りを命じられていた。 男の名はカイ。魔法が全てを支配するこの世界で、剣術はただの「補助」扱い。それでもカイはひたすら剣を極め、誰も知らないまま大陸最強の域に至っていた。 強さを誇示するつもりはない。名声もいらない。ただ——剣術がこの世界で舐められているのが、どうにも気に食わなかった。 だから剣を渡して去る。育てた弟子が世界を変えるのを、遠くから眺めていればいい。 これは、師匠が名前も告げずに去っていく物語。残るのは一振りの剣と、変えられた人生だけ。

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カクヨム
カクヨム2026/05/28
  • 現在の作品あの人は剣だけ置いていった