あらすじ
ナナシは、
人の本音が見えてしまう。
それは、
読心能力とは少し違う。
笑顔の奥にある諦め。
優しさへ混ざる義務感。
冗談の裏側に沈んだ孤独。
人が言葉にしない感情ほど、
ナナシには、
先に見えてしまう。
だからナナシは、
人間の揺らぎへ惹かれる。
朝の教室。
夕方の帰り道。
放課後の笑い声。
普通の日常。
人が最も輝いている時間。
そしてその奥に、
一瞬だけ露出する、
“言葉ではない本音”。
ナナシは、
その瞬間へ、
温もりを感じていた。
これは、
人間を知りたいと願い続ける少年と、
静かに壊れていく感情の物語。