あらすじ
「――これは、世界でもっともどうでもいい“公開断罪”の記録。」
娘の風呂に入ってしまった。娘のトイレを開けてしまった。娘と間違えて友達を連れ帰ってしまった。
そのたびに開かれる、全国謝罪会見。
飛び交うフラッシュ。怒号のような質問。そして最後に飛来する、黄色い洗面器――。
これは、悪の魔王でも、世界を滅ぼす邪竜でもない。
ただ距離感がおかしく、確認不足で、酒癖が終わっている父親が、娘から社会的に処刑され続ける物語である。
AI神託により“執行猶予付き無罪”を得た男を待っていたのは、許しではなく、追加会見だった――。
「その父親、国家案件につき。」
洗面器が飛ぶたび、謝罪は加速する。
異世界公開断罪コメディ、ここに開幕。
◆
王国歴二〇二六年。
かつて“誤認連行の父”と恐れられた男がいた。
酔って娘の部屋へ侵入し、階段を転がり落ち、娘の友人を連れ帰り、衛兵隊に囲まれ、全国放送で泣きながら謝罪した男。
人は彼をこう呼ぶ。
――《会見王》。
これは、どれだけ謝っても娘だけは絶対に許してくれない、一人の父親の戦いの記録である。
「なお、追加処分が確定しました」
娘による物理制裁。記者団による精神攻撃。そして毎回現れる黄色い洗面器。
すべての家庭内事故が、世界規模へ拡大する――!
前代未聞の“公開謝罪型”異世界ファンタジー、爆誕!!