あらすじ

「幸徳秋水」と聞いて、何を思い出せるだろうか。 教科書の片隅に載っていた「大逆事件」。処刑された社会主義者。――たぶん、多くの人の記憶はそこまでだ。 だが、もし彼が一二〇年前に書いた本が、二〇二〇年に五〇万部売れたベストセラーと、ほとんど同じ未来を警告していたとしたら? 本作は、幸徳秋水『帝国主義』と、斎藤幸平『人新世の「資本論」』を軸に、「資本主義はなぜ“外”を必要とするのか」を読み解いていく思想エッセイである。 なぜ豊かな国ほど、どこか遠くに“ツケ”を押し付けるのか。 なぜ戦争は「正義」や「愛国心」の化粧をまとって現れるのか。 なぜSDGsやエコは、ときに“免罪符”になってしまうのか。 そして、もし地球から「外」が消えたとき、人類はどこへ向かうのか。 『進撃の巨人』『AKIRA』『ワンピース』『北斗の拳』などの比喩を交えながら、難解になりがちな思想史を、現代の感覚で読み解く。 さらに、「一二〇年周期で咲いて枯れる竹の花」と、「歴史は反復する」という柄谷行人の思想が、不気味な符合を見せ始める。 これは単なる思想解説ではない。 教科書の“剥製”だった幸徳秋水を通して、二〇二〇年代という時代そのものを見直す試みである。 「野蛮か。分かち合いか。」 一二〇年前から届いた問いが、いま、私たち自身へ突き刺さる。

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小説を読もう2026/05/28
  • 現在の作品幸徳秋水『帝国主義』は、120年後の『人新世の「資本論」』だった