あらすじ
十三世紀、世界最強の蒙古帝国が日本への侵攻を開始した。
この未曾有の危機に、わずか二十代で坂東武者の頂点に立った男がいる。
鎌倉幕府八代執権・北条時宗。
彼は交渉を一切拒絶し、降伏を迫る使者の首を刎ねた。
生き残る道は、戦って勝つ以外にない。
博多湾に築かれた鉄壁の防塁、夜陰に乗じる決死の夜襲。
時宗の冷徹なまでの意志の力が、大和を守る「盾」となり、大陸の猛威を海へと釘付けにする。
しかし、次なる国難が始まった。
恩賞なき防衛戦がもたらす一族の亀裂と武士たちの怨嗟。
「人の上に立つ者は、鬼の目を持て」――父の遺言を胸に、短い生涯のすべてを燃やし尽くした、ある孤高の男の戦いの記録である。