あらすじ
大学に入れば、世界は勝手にきらめくものだと思っていた。
経済学部1年の立河衣織《たちかわいおり》には周りの奴らみたいに、夢中になれるものも、バカ騒ぎできるノリもない。堕落したわけでも、ぼっちなわけでもないが、衣織には言葉では言い表せない「何か」が足りなかった。
そんなある夜、衣織はキャンパスの片隅で、大きな望遠鏡を抱えて脚立から落ちてきた先輩・星野美玲《ほしのみれい》を助ける。
「私を助けてくれたお礼に、最高の星空を見せてあげる」
嵐のように強引で、周囲の目なんて気にせず、ただ好きなもののために瞳を輝かせる美玲。衣織にとって、彼女のその真っ直ぐさは眩しすぎるほどだった。
美玲と出会い、彼女の見る世界を一緒に追いかけるうちに、衣織の退屈だったキャンパスライフは少しずつ、でも確実に色づき始める。
これは自分の居場所を見失っていた少年が、星に恋した少女の手を引かれ、輝きを見つけるまでの物語。