あらすじ
五年尽くした王太子に、夜会の場で婚約破棄を言い渡された。
理由は新しい女。
泣きはしなかった。呆れはしたけれど。
実家に戻って三日、さっさと切り替えて領地経営の手伝いでもしようかと思っていたら——なぜか王太子の弟が訪ねてきて、こう言われた。
「あなたを、僕にください」
第二王子ユリウス。社交界では「王家の朴念仁」と呼ばれる口下手な剣士。
断ったのに毎日通ってくる。花を持ってくるがアレルギーの花を選ぶ。詫びの手紙は報告書。
——なのにこの人は、五年かけても知ろうとしなかった王太子より、よほど真っ直ぐにこちらを見ている。
弟の求婚によって、私を振った王太子が勝手に窮地に追いやられていく。これはほんの少しの甘さと清々しい物語。