あらすじ
魔法は女にしかなれない。
魔女細胞と呼ばれる器官を持つ者だけが魔法を行使できるこの世界で、それは一度も覆されたことのない大原則だった。
なのに——神代一は、ある朝、魔女しかいないはずの学園の教室にいた。隣の席の白髪赤目の少女には「なぜ男がここにいるの」と睨まれ、教師には困惑され、千人の魔女には見世物のように囲まれる。わかっているのは、自分の中に女性しか持たないはずの魔女細胞があることだけ。
強気な魔女はなぜかいつも隣にいる。エリートな魔女は認めたくなさそうに俺を見てくる。クールな魔女は「データ収集だから」と言いながら世話を焼く。天然な魔女は初対面で好きだと言ってくる。後輩の魔女は袖を引っ張って離さない。
——いや、なんでそうなる。
答えの出ない疑問と、甘くて騒がしい日常。その裏で、俺の存在を「想定通り」と嗤う人物が動き出していた。
考えてもわからないなら、やるしかない。魔女だらけの学園で、泥臭く、不格好に、前に出てやる。