あらすじ

総務部で働く石川のぞみ(36歳)は、 誰の記憶にも残らない、透明な女だった。 ある春、派遣社員の桐島れいが現れる。 翌朝から、デスクに弁当箱が置かれるようになった。 「顔色、悪いですよ」 れいは世話を焼いた。 のぞみの好みを、聞かずに知っていた。 のぞみの周囲から、静かに人が消えていった。 住所を調べると、更地だった。 検索しても、どこにも存在しなかった。 古い社員証には、別の名前があった。 それでも、のぞみは聞かなかった。 聞かないことを、選んだ。 善意という名の侵食と、 孤独という名の共犯。 弁当箱が届かなくなった朝、 のぞみは窓ガラスに自分の輪郭を探す。

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カクヨム
カクヨム2026/05/28
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