あらすじ
――目が覚めると、知らない森にいた。
記憶はない。
だが、知識だけはあった。
言葉が分かる。火を知っている。道具を理解できる。
それなのに、自分が何者なのかだけが分からない。
やがて辿り着いた小さな集落。
そこで三日後、南から“何か”が来る。
戦いは一瞬だった。
理不尽なほどに洗練された暴力と、
そして――桃の香りをまとった少女。
その刃に触れた瞬間、世界は終わる。
――そして、また朝が来る。
同じ森。
同じ三日間。
同じ死。
だが、死ぬたびに、何かがズレていく。
時代が変わる。
人間が変わる。
「南」が変わる。
それでも必ず現れる、少女――モモ。
彼女は言う。
「逸脱を確認」
歴史は、決められている。
外れたものは、修正される。
――ならば。
「どうせ何度でもやり直せるなら、楽しみながら壊してやる」
九回だけ与えられたやり直し。
九つの時代。
九つの分岐点。
これは、歴史に抗うために送り込まれた存在と、
歴史を守るために作られた存在の、
終わりのないやり直しの物語。