あらすじ

冷え込んだ冬の空の下で、誰かが呼んでいる声が聞こえた。 ぎこちない運びをする2本の足に、透き通った声色。 私と明が出会った日だ。 私が明の姿に化けるきっかけとなった日、それは私にとって今も消えない大切な思い出となっている。 あの頃の私たちは毎日が幸せだった。母の日に内緒で買いに行ったカーネーション。学校に行けない日にやり込んだ「どうぶつの森」。家族の前では強がっていたくせに、部屋に帰った途端に泣いた夜。どこに行くにも一緒だった明が、私に言っていたこと。「家族のことをよろしく頼む」って。 眠れない日に目が覚めて、机の上に座ってノートを開く。「生きているうちにやりたいこと」と題された明のノート。途中までしか書かれていない箇条書きされたたくさんの夢の中に、一際大きく書かれた文字がある。 「助けてくれた家族に、いつか恩返しがしたい」 走り書きされたこの1つの願いを、私は今でも夢見ている。いつか明の望んだ未来が来るように、私にできることはなにかを探して。

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小説を読もう2026/05/04
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