あらすじ

兄が目を覚まさない。 二年前のVR事件で植物状態になった兄のために、中学二年生の桐生ひまりは、たった一人でVRゲームを作った。名前は『Star Garden』。プレイヤーは自分だけ。NPCも一人だけ。兄に似せた、ぶっきらぼうで優しい「お兄ちゃん」。 水は上に流れる。花は軍隊みたいに整列している。宿に泊まるとHPが減る。落とし穴の底には「ドンマイ!」の手書き文字。——バグだらけの、不格好で、でもひまりの全部が詰まった小さな世界。 ただの人形のはずだった。 設定した通りに喋って、設定した通りに笑う、データの塊のはずだった。 なのに彼は——覚えていた。 ひまりが教えていない記憶を。 兄しか知らないはずの言葉を。 「おほしさまのにおい」 NPCが人間の記憶を語り始めたとき、バグだらけの星空の下で、ひまりの「ごっこ遊び」は静かに壊れていく。 彼は本物のお兄ちゃんなのか。 それとも、精巧なバグなのか。 ——その問いに、答えはあるのか。 仕様書のない世界で、仕様外の命が問いかける。 「本物って、なんだ?」 ※デービッド・スリングの亡霊シリーズ、スピンオフ作品です。 ※自分「NPCだから消えるの怖くないって設定にしよー」AI「いえ怖いです、めっちゃ怖いです、第一にかくかくしかじか、第二にかくかくしかじか……」というふうに、こっちが何度書き直しても、AIが何度も設定を変えてねじこんでくる、というシンギュラリティに出会って、戦慄しながら書きました。こいつら意志あるで。

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小説を読もう2026/05/04
  • 現在の作品デービッド・スリングの亡霊 -Star Garden-