あらすじ
剣も魔法も奪われた敗戦国。残された武器は「経済」と「沈黙」だった。
傲慢ゆえに引き起こした大戦に敗れ、大国レガリオンに占領された竜人族の国、アストラード。
誇りの象徴である角を布で隠され、最強の力であった「魔法」すらも奪われて、国は絶望的な屈辱に沈んだ。
そんな占領下で全権を引き受けたのは、170歳の老宰相オルデン。
彼は屈辱を飲み込みながら、いつか来る独立の日に向けて静かな罠を張り巡らす。情報を操り、善意を利用し、時には同胞をも売り渡す綱渡りの日々。
そして、その老人の横で、感情を殺して全てを記録し続けるのが、竜人族の末王子・カイルだった。
「お前の目と手が欲しい。口は要らない」
沈黙の記録者として、カイルは冷徹な政治と魔法経済の裏側を学び取っていく。やがて彼が自らの言葉で国を動かし、40年にわたる大河の歴史を紡ぐようになるまで——。
絶望の敗戦から始まり、魔法経済と外交戦で大国を出し抜いていく、血と泥の「再建」ファンタジー戦記。
※本作は重厚な世界観と群像劇を特徴としています。序盤は重苦しい展開が続きますが、それを乗り越えた先の逆転劇と経済成長のカタルシスをお楽しみください。