あらすじ

エルデリア王国、王立魔法学院。下級貴族の次男イレン・ヴェルナルドは、賢者が三千年前に刻んだ古代魔法の真意を、誰よりも深く読解する天才性を秘めていた。 だが、十二歳の社交の場でのある出来事以来、彼は自分の意見を持つことをやめ、読めてしまうものを誰にも告げない少年として生きていた。 学院二年次の春、北の山脈の旧鉱山で発見された古代魔法陣の調査に、彼は古代言語学の老教授の助手として同行する。岩窟の天井に刻まれた三点配置を読み解いた瞬間、彼の沈黙は王宮の中心へと引きずり出されていく。 宮廷の実権を握るカイザリオン公爵による、禁忌の魔法を巡る独占的な復活計画。辺境から戻る王太子アルディオンの、対極の救国の意思。三つの記述石が揃い、満月の夜の儀式が近づく中で、少年は四年間封じてきた「自分の意見」と、ついに向き合う。 最後まで誰にも理解されない。それでも彼は、たったひとつの選択を、自分の意思で世界に響かせる。

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カクヨム
カクヨム2026/05/03
  • 現在の作品響きの少年は口を噤む