あらすじ
企業群が国家を侵食し、法と制度が形骸化した時代。現世に住まう神の一柱に愛されし聖女アルテミシアは、労働に関わる複合犯罪を取り締まるべく労働局を設立した。彼女たちは形骸化した法を掘り起こし、証拠を集め、実力行使をもって遵法精神を企業に日々叩き込んでいた。
そんな中、一人の公益通報者に端を発し、人身売買のネットワークの存在が明るみに出る。
──港湾施設、福祉局、フロント企業、企業群、帳簿に乗らない戦力、亡国の兵士。ばらばらに見えた線が、ひとつの犯罪構造として像を結び始める。
ここで描かれるのは、悪を倒す英雄譚ではない。合法に見える書類の束から、悪意を見出し、必要なら実力で止める者たちの記録である。