あらすじ
私は過去、十二回、この世界を繰り返している。
何をしても二十歳前後で必ず死ぬ。何をしても王太子殿下に必ず婚約破棄される。
王太子妃に成り上がっても、商家に嫁いでも、薬師になっても、辺境の村娘になっても——何をしても同じ。
そして十三回目の今夜、卒業パーティーでまた婚約破棄を告げられた私は、人生を放棄することに決めた。
「もう何もしない。最後まで生きてみよう」
公爵令嬢の身分を捨て、亡き祖母の遺した北の田舎家へ。薬草の香る静かな日々の中で、私は終わりを待つはずだった。
——けれど春のある朝、見たこともない方が私を訪ねてきた。
「貴女を、ずっと探しておりました」「ようやく、お会いできました」
深い緑の瞳のその方は、王都の宰相補佐官・エルクハルト様。前世にも前々世にも、お会いしたことのない方。
なのに、なぜ私のことをご存知なの——?
十三世代分の縁が、ようやく結ばれる。
諦観の公爵令嬢と、彼女を探し続けた青年の、再会の物語。