あらすじ
「……この国、たぶんもう詰んでるから」
思わず漏らした一言に、隣にいた親友――悪役令嬢は優しく笑った。
ああ、この人は最初から分かっていたのだ。
この国がすでに取り返しのつかないところまで壊れていることを。
責任を取らない王族。
現実から目を逸らす貴族たち。
そして、正しい人間から順番に切り捨てられていく社会。
そのすべてを見抜いた上で、彼女はただ一人だけ。
私に執着していた。
「あなたさえいれば、私は退屈しないもの」
その言葉が、冗談ではないことだけは分かってしまう。
これは、すべてが手遅れになった国で。
悪役令嬢とその親友が、崩壊すら楽しんでしまう物語。