あらすじ

祖父の遺品整理で見つけた古い八ミリフィルム。そこに映っていたのは、驚くほど美しい若き日の祖母だった。 藤野凛、二十九歳。彼氏なし、趣味なし、取り柄なし。元彼には「退屈」と振られた、正真正銘の地味なOL。そんな私の平凡な日常は、あのフィルムを再生した瞬間から一変する。 「——その女性は、誰ですか」 窓の向こうから鬼気迫る表情で問いかけてきたのは、隣に越してきたばかりの無愛想な男。近所では変人と噂される彼の正体は、新進気鋭の映画監督・瀬尾蒼真だった。 彼もまた、子供の頃に同じ映像を観ていた。名前も知らない、夏の縁側で笑う女性。その姿に心を奪われ、映像の道を志したのだという。 なぜ二人の祖父は、同じフィルムを持っていたのか? 祖母と蒼真の祖父の間には、何があったのか? 遺品の中から見つかった、六十年前に届かなかった一通の恋文。そこに綴られていたのは、戦後の混乱期に引き裂かれた切ない初恋の物語だった。 過去の想いを紐解くうちに、少しずつ近づいていく二人の距離。「退屈」だと言われた私を、彼は「一生かけても撮り尽くせない」と言った——。 六十年越しの届かなかった恋が、今、新しい恋を繋ぐ。

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小説を読もう2026/05/03
  • 現在の作品祖父の遺品から出てきた八ミリフィルムに映っていたのは、隣に住む無愛想な映画監督の『初恋の人』だった件〜六十年越しの届かなかった恋文が、私たちを引き合わせました〜