あらすじ
詐欺師は、嘘を売らない。
影山誠は“真実を並べ替える”ことで人を動かす。
嘘は使わない。ただ事実の順番を変えるだけで、人間は勝手に壊れる。
彼の仕事は相談業。
だが実態は、関係を修復することではなく――壊れたまま成立させることだ。
ある日、事務所に現れたのは一人の少女。
天城真白。正しさを疑わない人間だった。
彼女は家族の崩壊を終わらせるため、事実を集め、並べる。
正しい順番で、正しい結論に辿り着こうとする。
だがその行為は、皮肉にも状況を悪化させていく。
なぜなら――
真実は、それ自体では人を動かさない。
動かすのは、並べ方だ。
影山は教える。
正しさではなく、“使い方”を。
少女は知ることになる。
真実が救うものと、壊すもの。
そして一度選んだ順番は、決して元には戻らないということを。
これは、嘘をつかない詐欺師と、正しさを信じた少女の物語。
真実の値段は、いつだって高い。
――支払うのが、誰であっても。