あらすじ
四十路間際、辺境の魔術教師レンツ。
寝癖頭で畑のトマトを愛でる、気の抜けた田舎暮らし。
その裏に、五年前に封じた過去があった。
ふとした魔術勝負をきっかけに、彼の隠してきた過去が動き出す。
全力で師を応援する町の少女。前夜にこっそり頭を下げに来た、かつての教え子。五年ぶりに辺境を訪ねてきた、白銀の王女。
本人だけが気づいていない――この男は、教え子たちに、深く深く慕われている。
密かに広がる異端の影。自分でも知らぬまま解いていた未解決問題。
教え子たちの想いに引きずられるようにして、ひとりの魔術師が、再び表舞台へと歩き出す。