あらすじ
「……冗談じゃない。発動条件が『相手を可愛いと思うこと』だと?」
迷宮の最深部を単独踏破した元・最強のEXランク冒険者、アルス(26歳)。
陰謀により全てを失い、学園の「ただの下働き」として身を潜めていた彼は、ある夜、魔法事故から筆頭聖女候補・サリアを庇い、大きな代償を払う。
肉体が『少年の姿』へと退行し、さらには「自分が可愛いと感じた相手に、強制的に魅了(チャーム)を放つ」という呪いまで受けてしまったのだ。
「私のせいで……ごめんなさいっ!」と顔をくしゃくしゃにして泣くサリア(サキュバス)を、歴戦の猛者であるアルスはあろうことか「可愛い」と思ってしまう。
(……いや、悪くない。子供の魔力波長なら、学園の大人用生体認証結界を素通りできる)
アルスは呪いを逆手に取り、完璧な隠密行動を開始する——はずだった。
「アルスくんの魔力安定のためです。一緒に寝ましょう」
「お着替えも、ご飯も、全部私がやってあげますからね。あらあら、可哀想に」
「この学園ごと買い取ってあげる! だから私の傍にいなさい!」
「規則に従い、私の徹底的な管理下に入ってもらいます」
チャームの呪いを浴びた四人の聖女候補たちが、アルスを「保護対象」として囲い込み、過激な同棲生活をスタートさせてしまう。
サキュバスの血を引く過敏な聖女、重すぎるヤンデレお姉さん、投資という名目で愛を貢ぐ没落令嬢、徹底管理の風紀委員。逃げれば逃げるほど重くなる彼女たちの愛。しかも、このチャームには恐ろしい秘密があった。
『――チャームは感情を作る魔法じゃない。元々あった好意を、増幅させるだけだ』
そう、彼女たちはアルスが下働きの頃から、ずっと彼に熱く泥濘むような視線を送っていたのだ。
表向きは、ヒロインたちに振り回され、過保護に甘やかされる無力な少年。
しかし裏では、大人の生体認証をすり抜け、学園に巣食う腐敗した教師や暗躍する組織の刺客たちを、元EXランクの圧倒的な暴力と魔術で人知れず蹂躙していく。
「ただの子供だと思ったか? ――残念だったな」
やがてアルスが追う「陰謀」と、ヒロインたちが巻き込まれている「聖女システム」の闇が交差する。
甘く危険な同棲生活の果てに、「少年」として守られていた英雄が真の姿を取り戻した時。
愛する四人の少女を縛る鎖を断ち切るため、最強の冒険者が学園の闇をすべて喰らい尽くす!