あらすじ
全寮制の超名門・聖アシュリー学園。そこは、政財界の子息たちが集う「現代の王宮」だった。
特待生として入学した花咲 莉々(はなさき りり)は、異常なまでに鼻が利く。彼女にとって、人間の感情は「匂い」として立ち上がってくる。歓喜は甘いバニラ、嫉妬は腐った生肉、そして――殺意は、焦げたアーモンドの香り。
莉々は、放課後の旧理科準備室で、実家の薬局の知識を活かし、生徒たちの悩みを解決する「特別な香水」を密造していた。
そんな彼女の前に現れたのは、学園の頂点に君臨する「完璧な王子」九条 蓮(くじょう れん)。
全女子生徒が憧れる彼の微笑みから、莉々が嗅ぎ取ったのは、身の毛もよだつほどの「猛毒」の香りだった。
「君のその鼻、僕のために貸してくれないかな?」
秘密を握られた莉々は、華やかな学園の裏側で渦巻く陰謀や事件を、香りと化学の知識で解き明かしていくことになる。