あらすじ
【あらすじ】
1940年代、欧州各地を巡った日本人外交官・杉村隆は、戦争と国家崩壊の記録を手記として残した。
数十年後、その手記はひとりの男の手に渡る。
東欧諸国の選択、崩壊する秩序、民族と国家、そして繰り返される歴史。
史実と虚構を交錯させながら、第二次世界大戦からユーゴスラヴィア紛争、そして現代へと至る「境界線の記憶」と、歴史を利用しようとする者の企てを描く政治・歴史小説。
【主な登場人物】
杉村 隆(架空):日本の外交官。在ベルリン日本大使館勤務、兼・欧州情勢調査担当。法制度と国家秩序に関心を持ち、手記を残す。
ラドゥ・イリエスク(架空):ルーマニア外務省勤務。民族感情と現実主義の狭間で揺れる。
アレクサンダル・ペトロヴィッチ(架空):ブルガリア王国軍人。秩序への信仰と戦時の暴力の間で葛藤する。
ミクローシュ・ホルティ(実在):ハンガリー王国摂政。国家存続のため対独関係に苦慮する。
リスト・リュティ(実在):フィンランド大統領。対ソ講和をめぐる困難な政治判断を担う。
【注記】
本作には、実在の歴史人物および歴史的事件が登場する。
ただし、登場人物の内面描写、会話、思想的解釈の一部は創作であり、史実の再現そのものを目的とするものではない。
歴史の記録と、個人が経験した感覚とのあわいを描くため、本作は史実と虚構を交錯させている。