あらすじ

──因果の底で鳴るもの 世界には、誰も気づかない“音”がある。 それは風の音でも、心臓の鼓動でもない。 もっと深く、もっと静かで、もっと残酷な──因果の軋む音。 人の選択、後悔、嫉妬、願い。 積み重なった感情は、やがて“音”となって世界を揺らす。 その音が乱れたとき、世界の流れは歪み、人の運命は狂い、深層──因果の海の底がざわめき始める。 その歪みを聴き、触れ、宥める者たちがいる。 調律師。 彼らは因果の音を読み取り、必要とあらば“切り落とし”、必要とあらば“抱きしめ”、世界の流れを整える。 だが、その仕事は決して美しくはない。 救える命と救えない命。 守れる心と守れない心。 調律師は常に、その境界線に立たされる。 そして、その最前線に立つ一人の男がいた。 馨《かおる》 協会でも指折りの調律師。 冷静沈着で、因果の歪みを前にしても一切怯まない。 腰には銀色の刀──銀刃《ぎんじん》 因果の糸を断つためだけに鍛えられた刃。 彼は、必要とあらば“運命そのもの”を切り捨てる。 そんな男のもとに── 一人の新人が配属された。 絢《あや》 涙脆く、お人好しで、調律師という仕事に向いているとは到底思えない少女。 だが、彼女にはまだ知らない“音”があった。 世界を揺らすほどの、深層すら震わせるほどの──金色の音。 これは、その音が芽生えるまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/03
  • 現在の作品震相幻想➖ Resonance Boundary➖