あらすじ
A級パーティ「輝きの剣」で二十年、雑用と飯炊きを任されてきたガルド・ヘルツ、38歳。
ある日「戦闘で貢献できない者は不要」と追放される。
行き先は、地図の端にぽつんと載っている廃村・灰谷。
壊れた小屋を直し、荒れた畑を耕し、鍋で野菜を煮る。
たったそれだけの暮らしが、ガルドにとっては二十年ぶりの自由だった。
やがて廃村には、角の折れた元魔王幹部、膝を壊した老剣士、教会を追われた聖女、傷だらけの獣人、魔力が暴走する子供──行き場をなくした者たちが一人、また一人と集まってくる。
ガルドにできることは変わらない。飯を作り、寝床を整え、誰かの隣にいること。
それだけで、廃村は少しずつ「村」になっていく。