あらすじ

『ウラ……メシイ……』 筆で描かれただけの細く紅い唇から、かすれた声が、静けさの中に響いた。 座敷のガラスケースの中にいるはずの古い日本人形が――美保子に話しかける、 「ちょっと、お千代ちゃん。そのかすれ声止めてよ。怖いじゃない。電気つけていい?」 『ダメ……マブ……シイ……』 「だから、その声止めてって。も〜分かったわよ。部屋が乾燥してるって言いたいんでしょ?濡れタオル持ってくるから」 日本人形の遠回しすぎる要求に、美保子は深くため息をつき、体を起こした。 常夜灯だけの部屋は、相変わらず薄暗い。 日本人形のお千代は、とびきり面倒くさい美保子の友達なのだ。 長い年月を経たものって、愛おしいよね。

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小説を読もう2026/05/03
  • 現在の作品真夜中のオトモダチ〜うちの日本人形は、ちょっと面倒くさい〜