あらすじ

蒲田駅西口の小さな修理屋には、「靴・鞄・時計・その他」と書かれた看板がある。 その日、「その他」として持ち込まれたのは、成田から来た男が抱える古い木箱だった。 鍵穴も、蝶番も、蓋の境目すらない。 中に入っているのは、祖父の声だという。 開けるな。 開けたなら、聞け。 箱に刻まれた言葉を見つけたとき、女はそれが修理するものではなく、土地に憑いた何かを閉じ込めるものだと気づく。 そして男が確かに持ち帰ったはずの箱は、夜になって、ふたたび蒲田の店へ戻ってくる。 もう何年も前に亡くなった祖母の声で、女を呼びながら。

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カクヨム
カクヨム2026/05/02
  • 現在の作品蒲田の女、成田の男