あらすじ
「瀬戸 りとせ(せとりとせ)」――その名は、始まりと終わりが完璧に一致する、効率の象徴。
あらゆる「迷い」が電力の無駄として排除された管理社会「センター」。需給調整官の瀬戸りとせは、不合理な歴史を守り続ける旧市街の保存館を閉鎖すべく、同じく完璧な回文の名を持つ女、野村 むの(のむらむの)と対峙する。
論理で彼女を追い詰めたはずのりとせが、暗闇の中で手にしたのは、かつての自分が残した「自分を殺すための記録」だった。
回文(サークル)の中に閉じ込められた男が、零・零零零一パーセントの不純物によって自らを穿つ、地獄の再演。