あらすじ
うたかた温泉峡。そこは、日本の温泉街と台湾の古都が共存する場所。
とある事情で常波市へと引っ越してきた女子高校生・深見透(ふかみ・とおる)は、そこで不思議な茶寮に迷い込み、白と黒が入り混じった漢服と長髪が印象的な子どもに出会う。
「わしのことは老師と呼ぶといいのじゃ! さあ、お茶を飲むのじゃ!」
老師との出会い。そして、怪異を視ることはできなくても怪異を信じて追いかける雨宮宵子(あまみや・よいこ)を部長とした『とこなみ民俗探訪会』への入部によって、透の日常が徐々に変貌していく。
溺れる猫。
風土病。
忠告するクラスメイト。
水鬼。
赤い服の少女。
自分はいったい、なにを視ているのか。なにも視なくていいのか。なにが視えていないのか。
冷たい水の中を手探りで進むような感覚に捉われながらも、台湾の美味しいお茶やお菓子、温泉や部員の優しさに触れた透は、やがてひとつの答えに辿り着く。
「ごめんね。全部、思い出した」
これは日本の温泉街を舞台にした、台湾妖怪の怪異譚。
そして、ひとりの女子高生が部活で青春をエンジョイする物語でもある。
のじゃ。