あらすじ

三年前、音古宮夜鈴(ねこみやよすず)は“神隠し”に遭った。 十日後、山道の入口に戻ってきた少女は、もう以前の彼女ではなかった。 両親に“神の子”として祀られ、新興宗教に利用されていた夜鈴は、いとこの民俗学徒・志間野暦未(しまのこよみ)の家へ逃げ込む。 そして数ヶ月後。 暦未のもとに届いた一つの資料が、夜鈴を再び“神隠し”の土地へ導く。 十年前、鈴音峠で小学生の姉妹が失踪した。 戻ってきたのは妹だけ。 姉の名は、村の記録から消されていた。 祠、供養塔、鈴の音、封じられた石像。 夜鈴は、失われた記憶の痕跡を辿りながら、やがて気づく。 “神隠し”とは、神の仕業ではない。 誰かを「いなかったこと」にするための、共同体の沈黙なのだ。 これは、忘れられた声を記録する少女の物語。

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カクヨム2026/05/02
  • 現在の作品音古宮夜鈴の怪異推理録