あらすじ
『本物』(厨二仲間)だと思ったら『本物』(巨大組織)だった。拷問イヤだ。
異世界に転生したミナトは、チートも剣才も魔法才もほぼないFランク冒険者として慎ましやかに暮らしていた。
頼れるのは、芝居がかった中二病口調と、Cランク冒険者アーシャの優しさだけ。
ある霧の夜、帰り道の近道で、彼は怪しいフードの男女と遭遇する。命の危機に固まったミナトは、相手も“こっち側”の中二病仲間だと誤解し、「我は闇を統べるもの」とそれっぽい言葉を並べた。だが相手は本物だった。
闇に潜む巨大組織「常夜王庭」は、鑑定不能の黒髪と謎の合言葉応答を根拠に、ミナトを探し求めていた王だと認定してしまう。偽物なら拷問、正体を明かしてもたぶん拷問。逃げ場を失ったミナトは、弱さを隠したまま王を演じるしかなくなる。
忠誠心が重すぎる美人幹部ナタリア、疑い深いエルフのヤエ、半霊の少女フィー、そして全部知ってしまったアーシャ。六畳の安宿から始まった王様生活は、護衛、幹部面会、地下拠点建設へと勝手に拡大していく。
ミナトの適当な虚勢は、なぜか全て深遠な王の言葉として解釈され、今日も組織は大真面目に暴走する。
弱いのがバレたら終わり。けれど黙っていても世界が勝手にひれ伏してくる。