あらすじ
「当店には、派手な魔法も、商品の値札もございません」
装飾が派手なほど美しく、魔力が強いほど偉い。
そんな凝り固まった魔法帝国に、一つの異質な商会が産声を上げた。
商品は、真っ黒で無骨な魔導具。
チラシには、文字ではなく絵だけ。
店舗の外観はボロボロで、最高級品には「値札」すらついていない。
魔力を一切持たない元・天才マーケターの少年と、言葉を持たない偏屈な老職人。
二人の「引き算の美学」は、やがて絶対的な権力を持つ大貴族たちを依存させ、既存の特権ギルドを音もなく崩壊させていく。
――チート能力? 必要ない。
人間の「心理」と「承認欲求」さえ掌握すれば、魔法の世界の経済は、恐ろしいほど簡単に支配できる。