あらすじ
建物の構造や図面ばかりを気にする「変人令嬢」のエリシアは、婚約者であるセドリックに王都大劇場の設計図を奪われたうえ、公衆の面前で婚約破棄されてしまう。実家からも厄介払いされ、彼女が追放されたのは、処刑された悪役令嬢セレスティアの怨霊が彷徨う「呪われた廃領」だった。
そこは謎の異常熱や白い霧が立ち込める恐ろしい土地……のはずが、天才建築士であるエリシアにとって、それは呪いではなく「ただの修繕箇所」だった!
「ポルターガイスト? 瓦礫撤去にちょうどいいですね」
「公爵様の膨大な魔力? 梁の補強にぴったりです」
エリシアは怨霊セレスティアと、なぜか廃領へやってきた冷徹公爵オスカーを現場の優秀な労働力としてこき使い、呪いの熱を「床暖房」へ、白い霧を「極上の温泉」へと大改造していく。
一方その頃、エリシアの設計思想を理解せず図面の上澄みだけを盗んだセドリックの大劇場は、落成式当日に崩壊の危機を迎えていて——。
これは、すべてを失った建築令嬢が、土木知識と持ち前の現場主義で呪いを物理的に解体し、自分の手で最高の居場所を設計し直すまでの痛快なお仕事ファンタジー。