あらすじ
リゼリア・アークライト公爵令嬢は、三年前に処刑された悪役令嬢である。
王太子への執着、聖女への毒殺未遂、妹への虐待、学園での権力濫用。
記録の上で、彼女の罪は疑いようがなかった。
けれど、王太子の即位準備に伴い過去の記録を整理していた書記官は、奇妙なことに気づく。
リゼリア・アークライトという令嬢は、出生記録にも、洗礼記録にも、学園の入学名簿にも存在しない。
あるのは、彼女が何かをしたという事件記録だけ。
存在しない悪役令嬢は、なぜ処刑されたのか。
そして三年前、処刑台に立っていた女は誰だったのか。
これは、誰もが都合の悪いものを置いた空白と、そこへ落とされた一人の少女の話。