あらすじ

高校二年生の結衣(ゆい)は、クラスの中で「透明な存在」でいることを心がけている。過去の些細な人間関係のトラブルから、他人の顔色を常に窺い、自分の本音を分厚いガラスの壁の向こうに隠すようになっていた。息苦しいけれど、波風の立たない平穏な日々。 そんな結衣の前に、季節外れの転校生・真白(ましろ)が現れる。誰もが振り返るほど美しく、太陽のように無邪気で、誰に対しても分け隔てなく接する真白。彼女はなぜか、目立たない結衣にだけ特別な興味を抱き、強引にその心の壁をノックしてくる。 「結衣ちゃんの魂、すごく綺麗な色をしてるのに、檻の中で泣いてるみたい」 真白がくれる優しい言葉と、彼女の放つ絶対的な肯定感に、結衣は次第に救いを見出していく。しかし、真白の持つ「優しさ」の根底には、常軌を逸した独自の精神世界と、歪んだ救済の教義が隠されていた。 「悪いものを浄化してあげる。私と繋がれば、もう何も怖くないよ」 眩しいほどの青春のきらめきが、少しずつ、けれど確実に、甘く息苦しい狂気へと反転していく。これは、孤独な少女が「神様」に出会い、その温たい泥濘(ぬかるみ)へと沈んでいくまでの、美しくも悍ましい依存の記録。

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小説を読もう2026/05/02
  • 現在の作品呼吸の仕方を忘れた水槽で