あらすじ
音楽だけが、俺の居場所だった。\n\n人と関わるのが苦手で、ただ一人で曲を作り続けていた朝比奈湊。\n音楽に逃げて、音楽に縛られて、それでも手放せなかった。\n\n——あいつに、出会うまでは。\n\n「なあ、その曲。俺に歌わせろよ」\n\n軽音部で出会った瀬川陽翔は、初対面とは思えない距離で踏み込んでくる。\n勝手に隣にいて、勝手に笑って、勝手に俺の音楽を壊してくる。\n\nなのに、\n\n「お前の音楽、俺が一番好きだ」\n\nその言葉だけは、どうしても拒めなかった。\n\n少しずつ変わっていく日常。\n音楽が「一人のもの」じゃなくなっていく怖さと、嬉しさ。\n\nそして気づいてしまう。\n\n——音楽が俺にくれたのも、\n逃げ場なんかじゃなくて、お前だった。