あらすじ

連絡帳を何冊も書き終えた夜、柊奈月は暗い部屋でひとつの声を聴いている。湾岸再開発エリアの保育園で働く二十七歳の保育士。子どもにも保護者にも職場にも応え続けるうちに、自分のことはいつも後回しになっていた。そんな奈月を眠れない夜ごと救っていた配信者"夜凪"の声が、春に園へ来た二十歳の新人保育士・瀬野蒼のものだとわかる。 昼の蒼は、礼儀正しくて少し不器用な年下の同僚。夜の蒼は、誰かの孤独をやわらかく包む声の持ち主。二つの声のあいだで、奈月の帰り道は少しずつ長くなっていく。 「役に立つこと」と「愛されること」は違う。仕事の疲弊、近すぎて言えない気持ち、届きそうで届かない距離。四月から十一月までをたどりながら、声から始まる関係が静かに輪郭を持っていく物語です。 ──表紙イラストを近況ノートで公開しています。

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カクヨム
カクヨム2026/05/02
  • 現在の作品園に来た男の子が配信者だと知ってから、帰り道が長い