あらすじ
1518年のローマ。
石工のトゥーリオは工房の後継者に指名され、恋人のマルガリータとも婚約し、順風満帆のはずだった。
ところが婚約からわずか一週間後、マルガリータから「他に好きな人ができたの」と破棄されてしまう。
彼女を奪ったのは、顔良し、人柄良し、金あり、地位ありの天才画家、ラファエロだった。
勝てる要素が一つも見当たらず絶望するトゥーリオだが、建築現場で意図せずラファエロの命を救ってしまう。
「おれのモデルになってくれないか」と笑顔を向けるラファエロ。
ラファエロはある教会の主祭壇画の座をかけ、ライバル画家のルチアーニと競作をしていた。その絵のモデルになってほしいと言うのだ。
答えはもちろん「ふざけんな!」
一方、ルチアーニも打倒ラファエロのため、稀代の芸術家ミケランジェロの協力を得ていた。
ルチアーニには過去にもラファエロとの競作で負けた経験があるのだ。
リベンジに燃えるルチアーニは、ラファエロをローマから追放しようと画策し、更にトゥーリオにも目をつける。
仕事と作品を通して、互いに距離を縮めていくトゥーリオとラファエロ。
だが相手は婚約者を奪い、トゥーリオの人生をひっくり返した男なのだ。
華やかさとは裏腹な、制作の重圧と向かい合うラファエロの孤独な姿を見てしまい、戸惑うトゥーリオ。
ルチアーニは囁く。
「お前とは住む世界が違う。あいつはモデルが欲しいだけで、お前を認めてはいない」と。
ルチアーニもまた、ラファエロから決して対等と認められないことを根に持ち、複雑な感情を抱いているのだった。
光を描くラファエロと、暗さを汲み取るルチアーニ。
それぞれに絡み合う三人の感情と、競作勝負の行方は――。
名画に秘められた思いを紐解く、ルネサンス期ローマが舞台の愛憎三角関係BLです。