あらすじ
「あっ、あっ、あ……」
とある古びたアパートの一室。悪魔を呼び出した男は驚きのあまり喉を震わせるばかりで、まともな言葉を発することができずにいた。
窓枠の隅には湿った埃がこびりつき、外気を遮りきれず、隙間風が入り込んで薄汚れたカーテンをかすかに揺らしている。天井には雨漏りの染みが広がり、まだら模様を描いていた。黒ずんだ畳の中央には、チョークで描かれた歪な魔法陣。その上に立つ悪魔は、喉の奥でくっくと低く笑った。
「何をそんなに驚かれているのですかな。あなたが呼び出したというのに」
「あ、あ……いや、その、ネットでなんとなく調べて……まさか、本当にできるとは思わなくて……」