あらすじ
婚約の席で、彼は私ではなく妹を選びました。
「妹の方が愛らしいから」――その一言で。
ですので私は、静かに身を引きます。
公爵家としても、個人としても、異論はございません。
ただし――その選択には、ひとつだけ前提がございます。
それを踏まえたうえでのご決断でしたら、どうぞご自由に。
ですがもし、ご存じなかったのだとしたら……後悔なさるのは、これからかもしれません。
そして実際に、彼は後日、私のもとへとやって来ました。
取り乱した様子で、まるで選択をなかったことにしたいかのように。
――さて。何をお困りなのでしょうか?