あらすじ
中国から仙台の野球名門校へやって来た16歳の投手、李硯秋。左腕は父に作られた「正しい投球」、右腕は封じ込めた「本当の自分」。過去の決勝戦で親友を傷つけた罪悪感を抱えながら、彼は異国のグラウンドで、もう一度自分の球と向き合い始める。
登場人物
李硯秋:
中国出身の二刀流ならぬ両投げ投手。冷静で礼儀正しいが、内側には深い傷と反抗心を抱えている。
七瀬汐里:
かつて投手だった少女。高校野球の制度に阻まれながらも、投手としての感覚を失わず、硯秋の球の奥にある痛みを見抜く。
七瀬哲人:
楽湾高校野球部の主将で捕手。観察眼が鋭く、硯秋を一人の投手として厳しく見つめる存在。
沈従越:
硯秋の中国時代の捕手であり、親友。彼の右投げを初めて「本当の球」として受け止めた人物。
李昱川:
硯秋の父。元投手であり、息子を理想の投手へ育てようとする。愛情と支配が絡み合った、硯秋の原点。