あらすじ
「戦女神の再来」――そう称えられた少女の栄光は、すべてが父公爵の描いた「虚像」だった。
ローゼンベルク王国の公爵令嬢セレスティーヌは幼き頃から戦女神エイリーンの神話や救国の英雄ヒルデガルドに憧れていた。
そんなセレスは貴族の社交界ではなく、軍人になることを決意する。
家名を高めんとする父は喧伝(けんでん)工作を使い、実力不相応な聖騎士団長の座に就かせた。民衆は彼女を称え、セレス自身も戦女神の生まれ変わりと自負していた。
しかし、グランゼイド帝国の王都侵攻により、その虚飾は無残に剥がれ落ちる。初陣で惨敗を喫し、王都を奪われ、守るべき民を捨てて逃げ出した彼女に、もはや「戦女神」の面影はなかった。
忠臣の助言で逃げ延びた先で、風変りな男爵家領主カイルに出会う。
軍師、戦術家として有名な男爵家当主のカイルはセレスに容赦なく真実を突きつける。
そして軍師カイルの導きの下、セレスはまやかしの二つ名を脱ぎ捨て、再び戦場を歩み始める。
これは、かつて「虚像」であった少女が、仲間たちと共に王都奪還を目指し、本物の英雄へと成長していく戦記物語。