あらすじ
放課後の帰り道。
普通の高校生・猫村しきは、夕焼けの街でひとりの少女と出会う。
白銀の髪。
無表情なのに、どこか優しい瞳。
彼女の名はアーシャ。
「あなたが呼んだから、来たの」
そう言って寄り添うアーシャは、
しきの“感情”にだけ反応して現れる不思議な存在だった。
その日から、しきの日常は静かに揺れ始める。
夢の中に現れる“自分と同じ顔の少女”。
現実に滲み出す異世界の影。
そして、しきの感情に呼応して世界が揺らぐ現象。
やがてアーシャは告げる。
「しきが泣くと、世界が壊れる」
しきは知らない。
自分が“原典”と呼ばれる、
異世界の中心に位置する特別な存在だということを。
逃げるか、向き合うか。
しきが選んだのは——向き合うこと。
その決意に呼応するように、
異世界の王太子ヴェイル、
宮廷魔術師シェルヴ、
そして悪役令嬢シオナまでもが、
しきの前に姿を現す。
しきの感情が世界を揺らし、
世界の影がしきを求め、
アーシャはただひとり、しきのそばに立ち続ける。
これは、
“境界”に立つふたりが、
互いの世界を守ろうとする物語。
静かで、優しくて、
少し切なくて、
それでも前に進もうとする——
ふたりの物語。